レジリエンス経営とは?危機を乗り越える手法を企業事例をもとに紹介

「将来、経営人材になる前に企業の危機を乗り越える方法を知りたい」
「レジリエンス経営を聞いたことがあるけど、企業運営に役立つ方法なのかな?」

経営人材になる際には、ビジネスがうまくいっていない状況でどのように対応すればよいのか気になりますよね。

このように考えている方に向けて、本記事ではレジリエンス経営の特徴について解説します。

イーグルバス株式会社の事例をもとに、レジリエンス経営の実践方法を解説しますので、企業運営する際の参考にしてみてください。

【停滞からの脱出】できるレジリエンス経営の特徴
経営者が組織のレジリエンスを高める方法2選
企業の存在意義を明確化させる
失敗を分析する
レジリエンス経営を成功させた企業の成功事例(イーグルバス株式会社)
ジリエンス経営を行い企業の危機を乗り越える

【停滞からの脱出】レジリエンス経営の特徴

レジリエンス経営とは、企業がビジネスを行う際に、困難が訪れても柔軟に対応できるレジリエンスを高めた経営手法です。

特徴として以下3点が挙げられます。

  • 困難に負けない
  • 目標達成につながる
  • スキルアップになる

レジリエンス経営ができる企業は、危機的な状況に陥っても、あらゆる選択肢を模索して迅速に対応でき、事業成功につなげられます。具体的には、売り上げが下がったりシステムのトラブルが起きたりなどのトラブルにも柔軟に対応できるのです。

それにより、変化の激しい業界でも存続できます。

また、掲げている目標の達成にも効果的です。ストレス耐性の強化により、大変な状況のなかでも目標達成に向けた努力ができます。人は不安やイライラを感じていれば生産性が下がる傾向にありますが、レジリエンス経営を取り入れている企業の社員は、同じ状況でも意欲的に仕事に取り組めるのです。

個人の目標達成だけでなく、チームでも実現でき、企業全体の目標達成につなげられます。

さらに神戸大学大学院経営学研究科の「組織行動論へのレジリエンス導入」によると、困難な状況でもレジリエンスがあれば、新たなスキルを身に付けられる機会を生み出せるとされています。社員のスキルアップにもレジリエンス経営は欠かせないのです。

経営者が組織のレジリエンスを高める方法2選

経営者が、組織のレジリエンスを高めるには、どのような方法を取れば良いのでしょうか。ここでは、以下の2点について解説します。

  • 企業の存在意義を明確化させる
  • 失敗を分析する

一つ一つの方法について見ていきましょう。

企業の存在意義を明確化させる

レジリエンス経営を浸透させるためには、企業の存在意義を理解してもらうことが必要です。「なぜ自社は存在しているのか」「どのように社会に貢献するのか」を定めて事業を行う必要があります。このような経営手法をパーパス経営と呼びます。

企業の目的が明確であれば、トラブルに見舞われたときに、心が折れずに生産性をキープしながら仕事に取り組めるでしょう。

方法として、以下の点を伝えてみてください。

  • ミッション(どこを目指すのか)
  • ビジョン(何をするのか)
  • バリュー(どのように実現するのか)

このような存在意義の明確化が必要です。ソフトバンクでは、ミッション・ビジョン・バリューを以下のように定義しています。

ミッション情報革命で、人々を幸せに
ビジョン「世界に最も必要とされる会社」を目指して
バリュー「No.1」「挑戦」「逆算」「スピード」「執念」
出典:理念・ビジョン・戦略|SoftBank
バリュー|SoftBank

自社の経営を行うにあたり、ミッション・ビジョン・バリューを浸透させましょう。

失敗を分析する

レジリエンス経営には、失敗を許容して分析する組織作りが欠かせません。失敗を責めてしまうと、萎縮して挑戦を止めてしまう可能性があり、改善にもつながらなくなります。そのため、徹底的な失敗分析が必要といえるでしょう。

具体的には、以下のような分析手法がおすすめです。

  • What(要素分解)
  • WHY(原因分析)
  • HOW(問題解決)

例えば、「失敗を起こしたのはどの部分か」「なぜ失敗は起きたのか」「どのようにすれば解決できるのか」といった質問を投げかけてみましょう。これにより、失敗から学べる環境づくりが可能です。

また、社員同士で失敗によって得られたことを話し合う点も求められます。チームでの失敗分析により、レジリエンスのある組織づくりにつながります。

レジリエンス経営を成功させた企業の成功事例(イーグルバス株式会社)

レジリエンス経営を成功させた企業の事例として、バス会社である株式会社イーグルバスの事例を解説します。

イーグルバスでは、高齢化が進み利用者が減り、毎年赤字経営になっていました。さらに、国からの補助金がない危機的な状況でした。

イーグルバスでは、このような状況から逃れるために、以下の点に取り組んでいます。

  • ビジョンの明確化
  • リスクを見える化

イーグルバスでは、「乗客や乗務員の安全を第一にしたサービス教育を徹底的に行い感動を与えたい」といった理念をもっています。

この理念を達成するために、徹底したマーケティングリサーチを行ったり顧客の利便性を高めたりしました。理念の明確化により、具体的な行動につながったのです。

ほかにも、自社の事業リスクの見える化も行っています。

例えば、「路線バスは定時運行しているのか」「混雑状況はどうなっているのか」といった状況です。将来的なリスクを分析するために、社内アンケートの実施や住民の意識調査、人件費といったコストの見える化を行いました。これによりリスクコントロールを実施できています。

イーグルバスの工夫により、従来であれば1時間1本だったバスの運行が、最高で30分で1本の頻度を実現できました。

観光客の誘致に成功したことも重なり、乗客数は1.2倍に増加しています。

レジリエンス経営を行い企業の危機を乗り越える

レジリエンス経営は、困難に強い企業になれたり目標達成につなげられたりといったメリットがあります。

レジリエンス経営を実践する方法として、企業の存在意義の明確化や失敗の分析などが挙げられます。

本記事で学んだレジリエンス経営を活かして、長期的に安定した企業づくりをしましょう。

また、経営を行う際には、危機を乗り越えるだけでなくイノベーションが欠かせません。以下の記事では、経営を促進させるイノベーションについて解説しています。

競争の激しい市場のなかで生き残れる会社を作りたい方は、ぜひご覧ください。

経営を促進させるイノベーションとは?2つの企業事例をもとに解説!