事業譲渡とは?M&Aとの違いや2つのメリット・事例を簡単に解説

「ニュースで耳にする事業譲渡とは何?」
「ビジネスにおいて、どのようなメリットがあるの?」
「事業譲渡とM&Aにはどのような違いがある?」

このように考えていませんか?経営人材を目指すうえで、事業譲渡についての理解を深めておきたいですよね。

そこで本記事では、事業譲渡とは何かやメリット・企業事例を解説します。

M&Aとの違いまで説明するため、事業譲渡の理解を深めて、会社の経営を行ううえでの参考にしてください。

事業譲渡について学び、経営人材になった際に、企業や事業をスムーズに売買できるようになりましょう。

事業譲渡とは?M&Aとの違いを解説!
売り手・買い手から見た事業譲渡のメリット2選
売り手のメリット
買い手のメリット
事業譲渡の企業事例(株式会社LIG)
事業譲渡を理解して、売買をスムーズに進めよう

事業譲渡とは?M&Aとの違いを解説!

事業譲渡とは、企業が自社の事業の全体または一部を他社に譲渡する行為です。具体的には、契約に基づき、移譲する事業の範囲を決め、関連する資産や負債も選択できます。

一方で、事業譲渡に関連して耳にする機会の多いM&Aとは、会社の合併や買収を指す総称です。

事業譲渡はM&A手法の一つと捉えられ、M&Aは株式譲渡や会社分割なども含まれます。つまり、M&Aの手法として事業譲渡を選べば、特定の事業だけを売買できるのです。

昨今、事業譲渡を含むM&A件数は増加しています。株式会社ストライクによると、2023年におけるM&Aの総件数は1,068件となり、3連続で増加していると報告されました。

後継者や労働者の不足により、事業譲渡も増加していると考えられるでしょう。

売り手・買い手から見た事業譲渡のメリット2選

事業譲渡のメリットを以下の視点から解説します。

  • 売り手のメリット
  • 買い手のメリット

事業譲渡のメリットを理解して、必要性を考えておきましょう。

売り手のメリット

売り手側から見た事業譲渡のメリットは、複数の事業を展開する企業が特定の事業だけを譲渡できる点です。

この場合、売却により得られた利益を他事業へ投資することで、事業の基盤強化や経営の再生につなげられます。

また、事業のみを譲渡するため、買い手が見つかりやすいのが利点です。会社全体を対象とする株式譲渡の場合、負債も引き継がれるため、事業譲渡の方が買い手が見つかりやすいでしょう。

買い手のメリット

買い手から見た事業譲渡のメリットは、自社の成功につながる重要な事業や人材を選べる点です。

具体的には、自社の強化したい分野や研究開発を推進したい領域を譲り受けられ、事業成長を効率的に運営できます。

そのほか、買い手は負債や債務継承の必要がありません。そのため、将来性のあるビジネスだけを選び、自社に取り込めます。

注意点として、会社法22条1項によると、商号を使用し続ける場合、生じた債務を引き継ぐ必要があります。

事業譲渡の企業事例(株式会社LIG)

事業譲渡を行った会社として、株式会社LIGの事例を紹介します。

株式会社LIGは、自社メディアの運営やWebメディア制作、英会話スクールなど、多種多様な事業を展開している企業です。

LIGは「TRIP」と呼ばれる、アクティビティや観光商品の提供者と旅行者をマッチングさせるプラットフォームを事業譲渡しました。

事業を譲渡した理由は、メイン事業が成長しているためにTRIPに割ける人的リソースがなかったからです。LIGは成長性のあるTRIPを存続させるために、企業へ売却することを決めました。

事業譲渡する際には、単に仕様書を渡すだけでなく、CTOが一定期間事業を手伝うコンサルティング契約と保守運用契約を提案しています。

これにより、買い手企業に受け入れられ、事業譲渡が成立しています。

このように、事業譲渡を行う際に買い手が受け入れやすい提案を行うことで、売却がスムーズに行われる可能性が高くなります。

事業譲渡を理解して、売買をスムーズに進めよう

事業譲渡とは、会社の事業の全部・一部を譲渡する行為を指します。

事業譲渡を行うメリットとして、売り手は特定の事業だけを売却でき、買い手は自社に必要な事業だけを譲り受けられる点が挙げられます。

株式会社LIGのように、他事業に力を入れる目的で事業譲渡を行うことも可能です。

事業譲渡の理解を深めて、会社の売買をスムーズに進めましょう。

事業譲渡に関連して、会社を運営する際には資金調達が必要です。以下の記事では、自己資本を増加させるエクイティファイナンスについて解説しているため、経営人材を目指している方は参考にしてください。

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