脱炭素とは?2つのメリットや企業における取り組みをわかりやすく解説

「脱炭素ってどのような取り組みがあるの?」
「脱炭素を企業経営に活かしたい」

このように考えていませんか。脱炭素は、環境問題への取り組みだと理解していても、企業にとってどのような関係があるのか理解しづらいですよね。

本記事では、環境問題に関心がある方に向けて、脱炭素の概要や2つのメリット、企業の取り組みを解説します。

脱炭素を深く理解して、企業の社会的価値向上につなげてください。

脱炭素とは、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組み
企業が脱炭素に取り組む2つのメリット
1.企業のブランディングになる
2.新たなビジネスチャンスを獲得できる
日本における脱炭素の企業事例(株式会社リコー)
脱炭素に取り組み企業価値を向上させる

脱炭素とは、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組み

脱炭素とは、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みです。二酸化炭素の排出量と吸収量を相殺して実質ゼロにする「カーボンニュートラル」と関連して語られます。

昨今、地球温暖化が進んでおり、豪雨や猛暑などの気候変動につながる可能性が示唆されています。そのため、パリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃より低く抑える目標が採択されました。

それに伴い、日本の環境省は「2050年までに年間12億トンを超える温室効果ガス排出を実質ゼロにする」ことを目標としています。

そして、目標達成のために以下の対策を考案しました。

  • 再生可能エネルギーやカーボンニュートラル燃料の利用
  • デジタル技術を活用した脱炭素化の取り組み
  • 住宅・建築物の省エネ性能の向上

国が立てている施策を実行して、環境問題を引き起こさないために、企業も積極的に取り組むことが求められます。

企業が脱炭素に取り組む2つのメリット

企業が脱炭素に取り組むメリットは、以下の2点です。

企業のブランディングになる
新たなビジネスチャンスを獲得できる

以下の項で詳しく解説します。

1.企業のブランディングになる

脱炭素は、世界中で取り組まれているため、社会的に評価され、企業のブランディングになります。

その結果、消費者や投資家からの認知度が上がったり、優良企業だと認められやすくなったりします。それに伴い以下のメリットを享受できるでしょう。

  • 商品やサービスが売れやすくなる
  • ESG投資につながる

脱炭素により、環境問題に対して貢献感の強い消費者からの購買につながります。例えば、環境省によると、現在商品化済みで日本の脱炭素化を促進する機器のうち、二酸化炭素削減に効果的なものを認証すると報告されています。

それにより、環境に貢献している製品だと見なされ、さらなる購買につながるでしょう。

また、投資家からも評価され、環境に対して配慮している企業に行われるESG投資の対象にもなります。資金調達を積極的に行いたい企業にも、脱炭素化を推奨します。

2.新たなビジネスチャンスを獲得できる

脱炭素に取り組む過程で、環境に優しい素材を使用した商品やサービスを開発できます。今まで環境に対する取り組みを行ってこなかった企業にとってチャンスとなる方法です。

そのため、新しい市場を開拓したい企業には、脱炭素の取り組みがおすすめです。

また、現状の取引先からビジネスチャンスが訪れる可能性があります。

「脱炭素に取り組んでいるのであれば、連携して環境に関する事業を行わないか」といった提案も考えられるでしょう。

日本における脱炭素の企業事例(株式会社リコー)

脱炭素に取り組んでいる企業として、株式会社リコーが挙げられます。

リコーは、環境や社会、ガバナンス分野を議論するため、ESG委員会を2018年5月に設置しました。脱炭素に関わる取り組み状況や課題などを主に議論しています。

ESG委員会で議論した結果、リコーは以下のような目標を立てました。

  • 2050年までに、温室効果ガスの排出量をゼロにする
  • 2030年までに、再生可能エネルギー比率を50%にする

目標達成のために、商品の製造プロセス改善や省エネ設備の導入などを行っています。自社の営業活動においても見直しをしており、社用車のエコドライブの徹底や燃料電池車への転換も決定しました。

このような社内全体の取り組みにより、脱炭素化の実現を目指しています。

自社で脱炭素に関わる商品を開発できない企業は、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの利用などの手段もあるため、検討してください。

脱炭素に取り組み企業価値を向上させる

脱炭素とは、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みです。脱炭素に取り組むことで、企業のブランディングになったり、新たなビジネスチャンスを獲得できたりするメリットがあります。

環境に対して取り組みを考えている方は、株式会社リコーの事例を参考にしてください。

脱炭素と関連があるものとして、グリーン成長戦略が挙げられます。

グリーン成長戦略とは、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)や脱炭素社会の実現を目的とした国の政策です。

日本政府が取り組むグリーン成長戦略と企業の取り組みを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

グリーン成長戦略とは?経済産業省が進める取り組みや企業事例を解説