取得すべきIT国家資格の難易度はどれぐらい?!難易度別に紹介
IT系の国家資格にはどのようなものがあり、難易度はどの程度なのかご存じですか?
国家資格の取得は、実務経験がない方にとってITの基礎知識があることの証明になります。
また、企業は優秀な人材・即戦力を欲しているため、難易度の高い資格を取得することで、高いスキルと知識を持つことを示す客観的な証明になるでしょう。
そこで本記事では、どのようなIT国家資格があるのか、IT系の初心者・エンジニア・マネージャー向けに資格を難易度別で解説します。
■IT国家資格とは
IT系の資格は数多く存在していますが、IT業界で働くにあたって資格取得は必須ではありません。では、なぜ資格が必要になるのか、IT国家資格の重要性について解説します。
ITエンジニアのための国家資格
IT国家資格は、経済産業省が認定する資格であり、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が試験を実施します。そのため、この資格は情報処理技術者向けの資格と言っていいでしょう。大きな特徴として、資格を取得すれば有効期限がないことが挙げられます。また、試験としては特定のベンダー名、商品名を出すことができません。そのため試験では具体的な技術の知識ではなく、概念的な知識を問う試験になります。この点を補完するための資格として、民間資格(ベンダー資格・ベンダーニュートラル資格)が存在します。
IT国家資格の重要性
資格の取得には、以下のようなメリットが挙げられます。
- 就職や転職の際のアピールポイントになる
- 学習の過程で、知識やスキルを包括的に学ぶことができる
- 社内での評価を上げることができる
資格取得をするために得た知識や経験は、今後のキャリア形成をするうえで有効な手段の1つとなりえます。また、資格がないと企業などが自分の能力を短期間で正しく判断することが難しくもあり、IT国家資格の取得は自分の知識やスキルを証明する非常に重要なものとなります。
■IT系全般に関係する初心者向け国家資格
「フレームワーク(framework)」は、「枠組み」「構造」といった意味の英単語ですが、ビジネスでいう「フレームワーク」とは、新しい発想や分析を効率化すIT国家資格について難易度別に【C(易しい)~ S(超難関)】に区分して説明します。
初心者向けの試験【難易度C スキルレベル1】
最も簡単なエントリーレベルの資格であり、「情報処理の促進に関する法律」に基づく資格です。
ITパスポート
情報処理技術者試験の中でも、IT利活用者を対象にした入門レベルの資格です。高難易度のIT資格に挑戦するための土台となる初心者向け資格になります。
人気が高く、今が狙い目の試験【難易度B スキルレベル2】
IT エンジニアの基礎教養が詰まった国家資格です。IT業界で活躍するために必要な知識が身につけられるため人気の資格です。
基本情報処理技術者
システムエンジニア、プログラマーなどのITエンジニアが、共通して理解しておくべき基本的な知識を体系的に有しているかを問う資格です。「高度IT人材に必要な基本的知識・技能、実践的な活用能力を身に付けた者」を対象としています。
情報セキュリティマネジメント
セキュリティ関連分野に特化している試験になります。ITパスポートが「スキルレベル1」ならば、情報セキュリティマネジメント試験は「スキルレベル2」として、ITパスポートの次のステップアップのための資格として位置付けされています。
IT技術者として一人前と評価されるレベルの試験【難易度A スキルレベル3】
高度IT技術者として必要な応用的知識・技能をもち、その方向性を確立した者に対する資格です。
応用情報処理技術者
基本情報技術者がITの基本知識や技能を有するかを問う資格になります。
そのため、基本情報技術者資格取得後のスキルアップや、他の高度情報処理技術者試験を受ける前に受験する方が多い傾向にあります。
高度情報処理技術者向けの試験【難易度A スキルレベル4】
高度IT技術者として確立した専門分野の知識が問われる資格であり、固有技術の専門家を目指している方を対象としています。
システムアーキテクト
システム開発において設計や分析などの上流工程を担当するいわゆる 「SE(システムエンジニア)」の資格です。システム開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、システム開発のプロジェクトを主導する役割を期待される者に対する資格になります。
エンベデッドシステムスペシャリスト
IoTを含む組込みシステムの開発技術を用いてシステム基盤の構築力やシステム全体の設計・製造・評価などを認定します。 ソフトウェアとハードウェアのそれぞれの要求を適切に分解し、最適な組込みシステムを実現するための技術分野に関する深い知識や技術スキルが必要な資格です。
データベーススペシャリスト
データベースに関する専門知識を活用して、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たせる方が対象となります。情報システム全体のデータ管理やデータベース関連の技術支援など、データベース管理者やインフラエンジニアを目指している方に最適な資格です。
ネットワークスペシャリスト
ネットワーク全般に広い知識を有し、ネットワーク基盤の企画・要件定義・運用・保守など業務において中心的役割を担うことができるネットワークエンジニアとしての能力を証明するための資格です。ネットワーク化が進む現在において、ITエンジニア職として取得しておきたい資格であることから人気があります。
ITサービスマネージャ/プロジェクトマネージャ
ITサービスマネージャ試験は、システムの運用管理に関する知識を問われる試験です。この資格を取得することで、システム開発にも要件定義フェーズなどの運用設計面からも参画することができるようになるでしょう。
一方のプロジェクトマネージャは、システム運用で必要となるマネジメントの知識を問われる試験となります。システム運用は「保守開発」と「運用保守」の業務に分類されており、それぞれで役割は異なります。
ITのサービスマネージャは運用後の保守業務に関する知識、プロジェクトマネージャはシステム開発時のマネジメントに関する知識です。それぞれの資格は同じマネージャでも問われる知識は全く異なります。
難解な上級者向け試験【難易度S スキルレベル4】
試験で身に付けた知識と技能をさまざまな技術開発や業務改革のために役立てる、または情報処理技術者としての誇りと理念を持ち、IT業界全体の発展に寄与することが求められる資格になります。
システム監査技術者
情報システムを監査するための知識を問う試験で、ITガバナンスの向上やコンプライアンス確保に貢献できる監査人や情報システム責任者である証明となります。情報処理技術者試験の中でも最高難度の難関試験です。
ITストラテジスト
システム開発の最上流で事業計画段階から参画して、ITを高度に活用した事業革新、業務改革、及び競争優位を獲得する製品・サービスの創出を企画・推進することができる証明となります。ビジネスを成功に導くCIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方に最適な資格です。
■まとめ
IT系の資格取得は、知識と経験を証明するだけのものでなく、スキルアップにも役立ちます。
ITに関係する「難易度の高い国家資格」を自分の価値を高めるためにチャレンジするのもよいですね。将来どんな分野に進むか、または仕事の幅を広げるためにどのような資格が自分に向いているかを熟考し、興味のある資格の取得を目指してみましょう。